谷川岳から土樽まで縦走してきました。茂倉岳までは快調に歩いたが武能岳への登りはきつかった。しかし谷川岳だけでは味わえない稜線散歩と谷川連峰の展望は素晴らしく、縦走の楽しさ奥深さを充分楽しめるコースだった。

1.山 行 日 :  平成13年8月14日(火) 天候 :晴れ 微風
2.山  域  :  谷川連峰
3.山  名  :  一ノ倉岳(1,974.2m)茂倉岳(1,977.9m)武能岳 (1,759.6m)
4.所要時間 :  10時間50分   歩行時間 : 8時間40分
5.同 行 者 :  単独 
6.地  図  :  旺文社 (山と高原図NO16 谷川岳1/50000)
           国土地理院 (茂倉岳 1/25,000)

【コースタイム】
  5:20         5:40/6:00         6:15/6:20         6:50/6:55                             JR土合駅 → ロープウエー土合駅 → ロープウエー天神平駅 → 熊穴沢避難小屋 → 
 
 8:00/8:10     8:20          8:30/8:35   9:45/9:40  10:10/10:40
 肩ノ小屋  → 谷川岳( オキの耳)→ トマの耳 →  一ノ倉岳  →  茂倉岳  → 
                                                                                 12:10/12:20     13:15/13:30   14:30      14:45       15:25 
 武能岳   →(昼食)→ 蓬 峠  → 中の休場 → 東俣沢出会 → 林道終点 →

 16:10/18:50   19:00
 土樽駅(JR) ⇒ 土合駅 

                

【記 録】

 7月に谷川岳〜土樽まで歩こうと計画したが、雑用や天候などでなかなか実現できなかった念願の谷川連峰を縦走してきました。本来西黒尾根コースから登るのがベストなのだが脚力に自信が無いので6時より運転するロープウエーを利用することにした。3時45分に自宅を出発。土合駅に5時10分に到着、すでに駅前の駐車場には15台ほど駐車していた。身支度をして車道を歩く、20才の時電車できたとき以来だ。私が山登りをした原点の山、当時の事を思い出しながら「遭難者慰霊搭」に今日の安全登山を祈りロープウエー土合駅に向かう。「谷川岳登山指導センター」に登山届けを提出。

 ロープウエー駅には5〜60人ほどの登山者が並んでいた。6時に運転開始、15分で天神平に到着。清々しい空気、白毛門が霞んで見え谷川岳山頂はガスの中だ。昨年12月に初めて雪山の谷川岳に登った感動を思い出しながら歩く。夏山と冬山ではコースが全然違う、雪山では尾根を歩くので意外と楽だった。今日はこれから平標山まで縦走するという単独行氏と山談義をしながら登る。自分もいつかは歩いてみたいコースだ。今回はその前段のコースで無事歩けるか心配だと話し単独行氏と別れる。谷川岳山頂に2時間で到着した、単独だと早く歩いてしまう。あいにくのガスで展望なし、マチガ沢も見えない。

 オキの耳から先一ノ倉岳へと歩くのは初めてだ。谷川岳までは多くの登山者で賑わっているのに、こまで来る登山者はほとんどいない。登山道は蛇門岩がゴロゴロしていて滑りやすい、気を緩めるとツルット足を取られる
”おー危なかった”と独り言を言い気を引き締める。岩場にはキオン、タテヤマリンドウ、モツケソウ、ヤマトリカブト、シラネニンジンソウ特にハクサンフウロが多く咲いている。ガスの切れ間から一ノ倉沢の切れ落ちた断崖絶壁が現われた。いつも一ノ倉沢出会いからカメラで見上げていた稜線から今日は眼下に見をろしている。ノゾキから見る一ノ倉沢、覗き込みのむ怖くなる絶壁に心が洗われる光景だ。ノゾキが過ぎると一ノ倉岳へのきつい登りとなる、急坂を登り詰めると平坦なササの稜線に出た。

 
一ノ倉岳の山頂は平坦な登山道の脇に標識があるだけ。ここから茂倉岳までは快適な稜線歩きが待っていた。新潟県側にガスが湧き稜線を境に群馬県側は快晴でコントラストが美しい。草原にはキンコウカが群生していた。茂倉岳山頂も平坦な登山道脇に標識がある。ここでコーヒータイムにした、ここまで2組の登山者に出会っただけの静かな山だ。蓬フュッテに泊まっているという登山者が今茂倉岳避難小屋を清掃してきたといいながら登ってきた。朝日岳への縦走もいいですよと谷川岳の素晴らしさをしきりに話して下っていった。また山頂は独り占めと思ったら2人連れが来て今日はこれから七ツ小屋山に登り蓬フュッテに泊まると話していた。この人たちとは蓬峠まで前後して歩くことになった。

 茂倉岳を後に武能岳に向かう。コバイケイソウ、キオンの咲く草原を緩やかに下る。稜線上の登山道が良く見える右に一ノ倉岳の緩やかな稜線を見ながら快調に歩き小ピークを登り返しペンキマークのある傾斜した岩稜帯を過ぎると武能岳が眼前に立ちはだかるように見える。山頂まで続く登山道を見上げまだあんなに登るのかと閉口しながら登る。息も切れ時々立ち止まる。ササが輝いている、振り返れば一ノ倉岳、茂倉岳が遥か彼方に見える。良く歩いて来たと感心しながら最後の急坂を登り切ると武能岳山頂だ。山頂には昨夜肩ノ小屋に泊まったという2人連れがいた。

  山頂からは眼下に黄色い蓬フュッテ大源太山、七ツ小屋山、朝日岳笠ヶ岳、白毛門と360°の大パノラマに大満足。谷川でも奥深いこの山から眺められるのは小屋泊まりか長いコースを歩かなければならない。それだけに感慨深い思いがよぎる。雷がなってきたのでお互いに写真を摂りあい下山開始。蓬峠への登山道がはっきり見え、ササの草原と谷川連峰の山並みを眺められるのはここまで歩いて来た者だけが味わえる光景だ。途中で蓬フュッテへの草原の景色を楽しみながら軽く昼食にした。最後のピークを越え腰までササで埋まり足元が見えない中をしばらく歩くと土合からの道と合流する蓬峠に出た。ここからわずかで蓬フュッテに到着。15分ほど休憩し谷川連峰の山並みと分かれを告げ一路土樽駅に向け下山を開始。

  歩き始めたら太腿が痛くなってきた。だいぶ疲れて来たようだ、あせらず下る事にする。10分ほど下った所に水場があり水を補給し冷たい水で乾いた喉を潤す。あとは樹林帯の中をひたすら下る、2組ほど登ってきたがあとは誰とも出会わない熊除けの鈴を鳴らしながら歩く。中の休場を過ぎ沢を何度か渡り返し沢沿いに歩くとようやく林道終点に出た。この沢は増水したら歩けないだろう。またこのルートは樹林帯の登山道で下山ルートで良かった。しばらく砂利道歩きが続きようやく舗装道路に出る頃には足の裏が痛くなってきた、秩父7峰縦走の時の苦痛感と同じ状態となる。土樽駅まで10分の標識に元気付けられ歩き16時10分に無事土樽駅に到着した。

 土合駅を5時20分に出発し土樽駅に到着するまで10時間50分かかった。計画段階では歩けるか少し不安もあったが実際に歩いてみると長くきついコースだが素晴らしい一ノ倉沢の岩場やササの草原、茂倉岳への稜線散歩と3つの山を登り武能岳山頂から蓬フュッテの黄色い屋根を見たときには思わず
「やったー」と思わず叫んだ。谷川岳の奥深さを実感し、よく歩いた足に感謝し、機会があれば小屋泊まりで谷川馬蹄形縦走に挑戦してみたくなった。

 *土樽駅からの上りは15:23分の後は最終が18:17分と本数が少ないので注意が必要です。本来なら15:00頃までに駅に到着できれば良いのだが1時間ほど駅に到着するのが遅くなり、さらに雷雨で湯檜曽川が大雨で増水し運転を見合わせ中との放送があり電車が来るのか不安になった。結局駅で2時間40分も待たされてしまった。多くの登山者は湯沢までタクシーを呼び戻って行ったが、私は土合駅に車を置いてあるため電車で土合駅まで戻らなければならい。結局18:50分の最終電車にようやく乗れ19:00分に土合駅に戻れた。                            
          

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一ノ倉沢

シモツケソウ

ガスが湧く茂倉岳への稜線

蓬峠への登山道左が大源太山、 右は七ツ小屋山

一ノ倉岳山頂

ミヤマシャジン

視界が悪くても見え易い黄色い蓬フュッテ

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武能岳への登山道



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