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山行記録

  遥かなる山稜の頂きへ

3日目  黒部五郎小舎〜鷲羽岳〜水晶岳〜水晶小屋

鷲羽岳 (2,924m)        水晶岳 (2,986m)

 3日目は北アルプスの再深部に位置する鷲羽岳と水晶岳に登る。鷲羽岳は黒部川源流の山としても有名で鷲が羽を広げたような山容を見せる美しい山だ。水晶岳は別名黒岳とも呼ばれ裏銀座縦走ルートにある奥深い孤高の山だ。

1.山行日    : 2010年8月9日(月)
2.歩行時間  : 8時間10分  所要時間 : 9時間30分  歩行距離:11km


鷲羽岳

水晶岳

【山行記録】

黒部五郎小舎  5:00

 今日はメインルートを歩く4:30分より朝食を済ませ5:00に出発する。小舎の裏から樹林帯の石が敷き詰められ良く整備された急な登山道を登る。振り返れば黒部五郎岳が見えてきた。
白砂の台地(2,661m)  6:00

 急な登りが終わると双六岳が目の前に現れ高山植物の咲く稜線に出ると一気に展望が開けた。小舎から1時間ほどで平坦なピークに着く、三俣蓮華岳から双六岳への山並みが目の前に見渡せる素晴らしい展望台だ。
雲ノ平越に見る薬師岳

 白砂の台地にいた二人連れの登山者はここから三俣山荘に向かっていった。我々は三俣蓮華岳を目指す。黒部五郎小舎から三俣蓮華岳まで登ったグループが早くも下山してきた。そして山岳トレイルランに挑戦している選手が登ってきた、昨夜の選手から12時間ほど遅れているのに元気に登っていく、頑張ってと声をかけると笑いながら走って行った。
黒部乗越       6:20
(三俣蓮華岳と三俣山荘への分岐) 
三俣蓮華岳  7:00 

 黒部五郎小舎から2時間ほどで三俣蓮華岳の山頂に到着した。この山も素晴らしい北アルプスの展望台だ。なだらかな稜線を見せる双六岳への山並みの奥には笠ケ岳が見える。時間があれば双六岳まで往復したかったが約2時間かかるため断念する。
 西鎌尾根から槍ケ岳への山並みを見ていると、来年はこの西鎌尾根から槍ケ岳に登りたくなった。
西鎌尾根の先に槍ケ岳を展望する
北穂高岳から涸沢岳、奥穂高岳とジャンダルムの岩峰も真近に見える。
祖父岳の先には立山の山並みと劔岳も見える。
美しい姿をみせる憧れの鷲羽岳
三俣山荘  7:55

 三俣蓮華岳から35分ほどで三俣山荘に下山。山荘でコーヒーを飲もうとしたら9時からですと言われ残念。山荘からは正面に槍ケ岳が見え黒部五郎岳、鷲羽岳の拠点となる山小屋として多くの登山者が利用している。この時間ではほとんど出発した後であった。トイレを借り20分ほど休憩し鷲羽岳に向け出発した。
山荘の左手に進むとすぐ鷲羽岳に取り付く。
鷲羽岳  9:45

 三俣山荘から1時間30分で鷲羽岳山頂に着いた。ここからの展望も素晴らしいの一言だ。裏銀座縦走路上にあるこの山の頂きに立つには2泊しないと登れない山だが北アルプスの展望が素晴らしく多くの登山者が訪れる人気の山だ。
鷲羽岳に登りぜひ見たかった鷲羽池と槍ケ岳
これから登るワリモ岳から水晶岳への山並み
ワリモ北分岐  11:05

 ワリモ岳は巻き道で山頂はパスしワリモ北分岐に出る。ここは雲ノ平への分岐となっている。ここで昼食にする。昼食を食べていると単独行の青年がやってきてこれから高天原山荘に向かい高天原温泉に入り明日は雲ノ平経由で帰ると話していた。
水晶小屋  12:05

 ワリモ北分岐からはなだらかな登山道となりハクサンイチゲやイブキジャコウソウ、イワツメクサなどの花が咲いていた。分岐から35分で水晶小屋に着いた。水晶小屋は水晶岳の南肩にあり定員30名の小さな山小屋で天水のみである。テラスからは野口五郎岳が正面に見える。宿泊の手続きを済ませ12:25分に小屋の裏手から空身で水晶岳に登る。
 しばらく平坦な道を進むと水晶岳は岩稜の山、岩がゴロゴロとした登山道となりハシゴを登り山頂直下の岩場を登りつめると水晶小屋から40分で水晶岳山頂に着いた。
水晶岳  13:05

あいにくガスが湧き展望は出来なかったが今回の目的だった百名山3座目の登頂となった。山頂は岩が積み上がった頂きで狭く記念写真をとり早々に下山した。
 水晶小屋に35分で戻り夕食までは時間があるのでテラスでビールを飲みながら山並みを楽しむ。今日は6名ほどの学生のグループが素泊まりのようで楽しそうに食事を作っていた皆んな元気である。北アルプスの百名山は若者も結構登っていて良く出会う。 

 夕暮れにガスが湧きブロッケン現象がわずかだが現れた。それと後から小屋の写真を見て気付いたのだが水晶岳と手前の岩尾根の間にガスがかかると岩尾根がゴジラの背中のように浮き上がって見えた。瞬間の現象だったので写真を撮ることができなかったが不思議な体験ができた。ガスが抜けると水晶岳に重なり見ることはできない風景だ。
 ガスも晴れ夕日を受ける水晶岳。夕食はカレーライスで美味くおかわり自由だった。 
部屋は2階の広間で意外とゆったりと寝ることが出来た。

【コースタイム】
  5:00         6:20/6:25    7:00/7:20      7:55/8:15    9:45/10:10
黒部五郎小舎  →  黒部乗越  →  三俣蓮華岳   →  三俣山荘   →  鷲羽岳  →  

11:05/11:30    12:05/12:25  13:05/13:15    13:50
ワリモ北分岐  →  水晶小屋  →  水晶岳  →  水晶小屋

1日目 太郎平     2日目黒部五郎岳     4日目 雲ノ平    5日目  薬師沢〜折立



ブロッケン現象

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